あっぱれ! プライス
!!!
特にお得意の”鶏”。「紫陽花双鶏図」のこれでもか!というほどの緻密さに感動します。鶏なんだけど、鶏ではないような・・・別の生き物に見えてくるので不思議。若冲は鶏を”鳳凰”であるかのような気持ちで描き続けていたんだそうですヨ。ナルホド。
屏風もすべて彼のセンスがあふれてました。升目描きの「鳥獣花木図屏風」は四角ばってて、どこかかわゆい。水墨画「鶴図屏風」では、鶴が抽象化されてゆき、終いには卵にかえってしまう様が描かれておりました。コロコロコロコロ リズム感にあふれ、まるでパラパラ漫画をめくっているかのよう。カッコいいだけでなく、こういう遊びごころがあるところも、若冲の魅力のひとつではないでしょうか。おもしろいです♪
こんなに独特なのに、なぜか日本美術史からとりこぼされてしまった若冲。それをここまで集めたのがアメリカ人 ジョー・プライス氏。江戸絵画と言えば、狩野派、琳派のもの、また浮世絵などの収集が主流だったところ、それらをほぼスルーして、自らの心を捉えた作品。自分が欲しい!と思った作品のみを集めたところ、若冲中心のコレクションが出来上がってしまったのだとか。本来絵画収集とは他人に見せるためではなく、自分自身が楽しむためのもの。その心を忘れていない彼だからこそ、独特のコレクションが構築されたのでしょうね。若冲がスゴイのはモチロンですが、プライスさんもあっぱれ!スバラシイです。
京都会場の展示では、1Fの特別展示室でまるでプライスさんのギャラリーにいるかのように「十二か月花鳥図」を観賞することができます。障子窓から入る自然光の光の中でお軸を見ると、ほんわりいい感じ。私が行ったときは秋晴れのいいお天気でしたが、くもりの時、雨の時。四季折々にちがった表情を見せてくれるんでしょうねぇ。それを独り占めしているプライス氏がうらやましい限りです。ホントの贅沢ってこういうことをいうんでしょうね。
京都国立近代美術館 での展示開催期間はまもなく終わってしまいますが、まだまだ巡業するようです。よろしければ足をお運びくださいませ。
公式サイト: プライスコレクション 若冲と江戸絵画展
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